ストレスを受けるとヒトは体調を崩したりしますが、それは豚も同じ。ヒトの場合はストレスが「顔つきも変える」などと言われますが、豚の場合はストレスが「肉の質を変えてしまう」のです。
眠りたいときに寝て、遊びたいときに遊ぶ、そんな風にストレスなくノビノビと育った豚の肉は、ストレスの多い環境の中で育った豚の肉に比べて格段にオイシイ。これはホントの話で、豚というのはとっても神経質な生きものなのです。
だからこそ、飼育環境やエサなどには気を使っています。たとえば、すべての豚たちにはミネラル分豊富な榛名山麓の伏流水を与え、舎内温度も成長段階に合わせて微調整。また、柔らかで風味豊かな肉にするために、動物性タンパク質原料のエサを使わないのもコダワリなのです。
一般的に豚にはトウモロコシを主体としたエサが使われますが、私たちはマイロや麦類を主体としたものを使用。これは美味しさを追求するがゆえのコダワリで、これにより甘くあっさりとした脂身を持つ、適度な弾力を持った肉になるのです。



私たちがずっと追求してきたのは、生産効率よりも肉そのものが持つ美味しさや安全性です。
現社長が始めた30年ほど前、養豚業には豚を育てるのと同時に病気とも戦わなければならないという面がありました。当時は、病気による事故を防ぐために豚に多くの薬が使われ、その薬代もハンパじゃないという状況だったのです。
そうした状況を打破するために当社が選んだのは、安全なSPF豚を安心できる業者から仕入れ、それを自社で一貫生産することでした。その甲斐あって、現在では病気になる豚はほとんどいません。そして、必要最小限の薬を使うだけで、“最高の品”を生産できるような体制が整ったのです。
30年ほど前に始めた味と安全に対するこだわりは今、確実に実を結んでいます。

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ストール豚舎。妊娠豚が出産の時を待っています。
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種雄豚はストール横の豚舎で管理。茶色い毛並みで体格のいいデュロック種。
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出産間近の母豚は、分娩舎へ移動。一度に12~13頭を出産します。
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生後25日経つと、温度管理を徹底した離乳舎へ。床暖房も完備で快適。
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生後80日から出荷までの間を過ごす肥育舎には、オガ粉を敷き詰めています。
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個体差はありますが、およそ半年、110kgを超えると、豚たちは出荷となります。
